乳幼児健診のたびに測る体重と身長。母子手帳の成長曲線に点を書き込みながら、「帯の下のほうだけど大丈夫?」「ほかの子より大きすぎない?」と、ひそかに不安になるパパ・ママは少なくありません。赤ちゃんの体重と成長曲線について、まず知っておいてほしいのは、パーセンタイルは同じ月齢の赤ちゃんの中での「位置」を示す地図であって、競う点数ではないということ。そして、いちばん大切なのは一つひとつの数字ではなく、カーブの流れです。
パーセンタイルとは?本当の意味
パーセンタイルは、同じ月齢・同じ性別の健康な赤ちゃんの大きな集団と比べて、わが子がどのあたりにいるかを表します。たとえば体重が40パーセンタイルなら、およそ40%の赤ちゃんがそれより軽く、60%が重いということ。それだけです。クラスの集合写真での背の順のようなもので、健康状態や賢さ、授乳がうまくいっているかどうかを表すものではありません。
大切なのは、「いいパーセンタイル」は存在しないということ。15パーセンタイルのラインを元気にたどっている赤ちゃんも、85パーセンタイルの赤ちゃんと同じように順調に育っています。赤ちゃんはもともと、いろいろなサイズで生まれてくるものです。
母子手帳の成長曲線と、WHOの成長曲線
日本では、母子手帳に国の調査にもとづく乳幼児身体発育曲線が載っていて、乳幼児健診でもこの曲線をもとに成長を確認します。母子手帳のグラフに描かれた帯は、3パーセンタイルから97パーセンタイルの範囲を示していて、多くの赤ちゃんがこの帯の中に入ります。一方、世界的な基準としてはWHO(世界保健機関)の成長曲線が広く使われています。どちらも見方の基本は同じで、パーセンタイルの「位置」よりも、その子なりのカーブに沿って育っているかが大切です。
数字よりも「曲線のカーブ」が大切
小児科の先生は、1回の測定値だけを見て判断するわけではありません。見ているのは、赤ちゃんが時間をかけて描くラインです。どのパーセンタイルにあっても、自分のカーブに沿って着実に伸びている赤ちゃんは、順調に育っています。注意が向けられるのは、そのカーブがはっきり変わったとき。パーセンタイルの線を2本以上またいで下がる、横ばいになる、体重が減る、といった変化です。
| 安心できる様子 | 相談したほうがよい様子 |
|---|---|
| どのパーセンタイルでも、カーブに沿って着実に増えている | パーセンタイルの線を2本以上またいで下がっている |
| 生後2週間ごろまでに出生体重に戻っている | 出生体重になかなか戻らない |
| 元気があり、おしっこもよく出て、よく飲んでいる | 体重が減る、または横ばいで、飲みも悪い |
生まれてすぐの数週間は?
多くの新生児は、生後数日のうちに体重が少し減ります(生理的体重減少)。出生体重の7〜10%程度まで減ることはよくあり、そこから生後2週間ごろまでに出生体重に戻るのが一般的です。その後、生後数か月の間は1週間に150〜200gほど増える赤ちゃんが多く、月齢が進むにつれて増え方はゆるやかになっていきます。成長は一直線ではなく、成長の節目のころにぐっと伸びるなど、少しずつ波があるものです。授乳の様子が気になるときは授乳記録のつけ方や赤ちゃんのおなかがすいたサインも参考にしてください。
体重・身長・頭囲の3つを見る
成長曲線では、体重・身長・頭囲の3つを、それぞれのパーセンタイルで確認します。3つの位置が違うのはごく普通のこと。たとえば、すらっと背の高い赤ちゃんなら、身長は80パーセンタイル、体重は40パーセンタイルということもあります。小児科の先生は3つをあわせて、そして時間とともにどう動いているかを見ています。
今日の数字だけでなく、わが子のカーブを見る
Trackeronでは、体重・身長・頭囲を記録すると、WHOのパーセンタイル曲線の上にグラフで表示されます。健診と健診の間もわが子のカーブを確認でき、小児科や乳幼児健診では、1回分の数字ではなく、これまでの経過をまとめて見せられます。授乳・睡眠・おむつも一緒に記録できる育児記録アプリなので、「最近飲む量が減った」といった変化と体重の動きをあわせて振り返ることもできます。記録する項目の全体像は育児記録のつけ方にまとめています。
家で体重を測るときは:家庭の体重計の数字は、服やおむつ、測るタイミングで簡単に変わります。数日単位の小さな増減に一喜一憂せず、同じ条件で測った長めの流れを見ていきましょう。判断は健診や小児科での測定をもとに、先生と一緒に。
小児科に相談したほうがよいとき
成長は、赤ちゃんの健康を知るいちばん分かりやすい手がかりのひとつ。気になるときは、専門家に見てもらう価値があります。カーブが下がってきた・横ばいになった、出生体重に予定どおり戻らない、体重の変化とともに飲みが悪い・おしっこが少ない・元気がない、といったときは小児科に相談してください。乳幼児健診を待たずに受診してかまいません。一方で、低めでも安定しているカーブは、それだけではたいてい心配いりません。
まとめ
赤ちゃんの成長曲線のパーセンタイルは「位置」であって「ごほうび」ではありません。高くても、真ん中でも、低くても、着実なカーブこそが健やかな成長のしるしです。1回の数字ではなく流れを記録して、地図の読み解きは小児科の先生にまかせましょう。
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よくある質問
成長曲線のパーセンタイルとは何ですか?
同じ月齢・同じ性別の健康な赤ちゃんの中で、わが子がどのあたりにいるかを示す数字です。40パーセンタイルなら、およそ40%の赤ちゃんがそれより小さく、60%が大きいという意味です。高いほどよいというものではありません。
母子手帳の成長曲線の帯から外れたら心配ですか?
母子手帳の帯は3〜97パーセンタイルの範囲で、多くの赤ちゃんがこの中に入ります。帯から外れていても、その子なりのカーブに沿って育っていれば問題ないこともあります。気になるときは乳幼児健診や小児科で相談してください。
パーセンタイルが下がったら慌てるべきですか?
健診の間の小さな上下は、体調を崩したときや成長の節目の前後などによくあることです。注意が必要なのは、パーセンタイルの線を2本以上またいで下がり続けるような変化です。迷ったら小児科に相談しましょう。
ほかの赤ちゃんと体重を比べてもいいですか?
あまり意味がありません。赤ちゃんはそれぞれ違う、でも同じように健康なカーブをたどります。比べるなら、わが子の過去の測定値とだけ比べましょう。
新生児の体重が減るのは普通ですか?
生後数日で出生体重の7〜10%程度まで減ることはよくあり、多くは生後2週間ごろまでに出生体重に戻ります。戻りが遅い、飲みが悪いといった場合は小児科や助産師に相談してください。